第06番札所

妙法寺

千手観世音菩薩

寺の創建は古く、延享二年(1745年)仁連鷲宮山延命院妙嚴寺本末門分限改帳によると、稲尾妙法寺は妙厳寺末寺3ケ寺の1ケ寺であると記載されています。稲尾の西のはずれ、長井土沼に張り出した舌状台地の突端に熊野神社があります。妙法寺は熊野神社の別当寺として神仏混淆の聖域となって栄えてきました。明治初期神仏分離政策の影響で、妙法寺は廃寺となり、今わずかに境内の石灯籠に刻まれる「奉納御宝前・別当妙法寺・文化十年」の銘によって、ありし日の寺の賑わいがわかります。 

当札所に祀られるご本尊の千手観世音菩薩は集落センターに安置され、開帳の行事も当所で行われます。

札所は台地の突端にあるだけに、眺望がまさによく、深く息を吸いたくなるような長井土沼干拓地の田園風景が広がっています。この眺めの素晴らしさは、室町時代の著名な紀行文『廻国雑記』に「稲穂の別当の坊にて湖水を眺めて」とある記述がそれを表していると言われています。

札所の東隣りの台地に戦国時代の記録に残る稲尾城跡があります。天文23年(1554年)下野の小山朝政が下総に侵攻し、柳橋城(現古河市)を落とし稲尾に迫りました。城主稲尾加賀は戦いに利なきを覚り降伏したと伝えられています。

ワンポイントアピール

眺望がよく深く息を吸いたくなるような長井土沼干拓地の田園風景が広がっています

ご詠歌

いはをうち ながるゝみづも みょうほうの

にはのいさごも ほとけなるらん

アクセスマップ

〒306-0407 茨城県猿島郡境町稲尾569-24